「梅雨明け10日」という言葉がある。梅雨明け後は天気が安定し、夏型の天気が続くことから言われる。「夏日」から「真夏日」「猛暑日」と変わり、連日うだるような暑さが続いている▼22日は大暑だった。19日からは夏の土用に入っている。昔から鰻(うなぎ)や卵など滋養のある食べ物を食べ、水浴や灸(きゅう)などの健康法で暑い夏を乗り切ってきた。日本伝統の知恵だ。しかし今年は、鰻の稚魚の不漁で鰻が高騰。27日の「土用の丑(うし)の日」に食卓に上らない家庭も多かったかもしれない▼米国政府が、絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の対象種に鰻を加えることを検討しており、価格のさらなる高騰も心配されている。鰻よお前もか−。鯨やマグロに続き、日本の食文化が狙い撃ちされているような気分になる▼土用に食べられた、滋養ある食物にシジミがあった。シジミは旬が2度あるといわれ、寒シジミとともに土用シジミも人気がある。味でいえば旬は春らしいが「土用シジミは夏痩せに効く」と夏バテ回復に用いられた。鰻と違って安価で、庶民の味だった▼しかし庶民の食べ物のはずの宍道湖のシジミも、このところ漁獲量が減って価格が高止まりしているという。操業を週4日から3日にし、ヘドロを砂で覆う「覆砂」などの対策は、今のところ目立った資源回復につながっていない▼鰻もシジミも口にしにくいとなれば、猛暑をどう乗り切るか。ロンドン五輪での日本勢の活躍で、憂さを晴らすしかないか。(晶) ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)