近代五種女子で12日、初出場の黒須成美選手(20)=下妻市、つくば秀英高出身、東海東京証券=は、36人中34位に終わった。最終コーナーを曲がるとき、右手を観客席に向かって挙げた。視線の先には父の秀樹さん(50)。「ここまで駆け付けてくれたことに感謝したい。両親もずっと五輪に来たいと言っていたので、まずは連れてこられて良かった」   (小林孝一郎、ロンドンで)  中学二年のとき、近代五種の選手経験がある父に、半ば強引に競技へと導かれた。父は厳しいコーチに変身。学校へは父の伴走で走って通い、自宅の廊下でフェンシングの剣を合わせた。練習設備や費用の面で民間人には取り組みにくい競技に、二人三脚で打ち込んだ。  未成年だった五年前に東京で行われた北京五輪予選では、銃刀法の規制で出場自体が危ぶまれる事態も。父の奔走で出場が実現したが、五輪代表の座はつかめなかった。  昨年三月には東日本大震災で被災し、下妻市の自宅周辺のトレーニング施設が使えなくなった。父が大病を患ったことも重なり、韓国へと練習拠点を移した。同五月のロンドン五輪予選は猛練習の代償で負った左脚の疲労骨折をおして、やっとの思いで通過した。  数々の苦難を乗り越えて出場した五輪は苦い結末に終わったが、それでも満足できた。「最高の舞台で競技できた。最終的な目標としてメダルが取りたいと、あらためて思った。やっとスタート地点に立てたのかな」。父娘の物語は第一章が終わり、新たな章が幕を開ける。  ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)