「親子でまた夢の続きを見せてほしい」。ロンドン五輪テコンドー女子57キロ級で5位になった浜田真由選手(18)=ベストアメニティ=の地元・佐賀市川副町では9日深夜、祖父官蔵さん(80)が祈るように孫に声援を送り続けた。 父康二さん(44)は官蔵さんの次男。浜田選手が5歳の時、肺がんと診断され、8カ月間の闘病生活を余儀なくされた。「このまま死んでしまうかもしれない。家族のために生きたい」。少しでも長く家族と過ごそうと、脱サラして自営の運送業を始めた。 ちょうど、浜田選手と兄康弘さん(19)、弟一誓さん(17)が近くの道場でテコンドーを習い始めたころ。康二さんは自宅の居間にマットを敷いてサンドバッグを置き、専門書片手に自己流で3人を鍛えた。 2000年の全日本ジュニア選手権大会できょうだい3人が優勝。「オリンピックで優勝したい」。そう周囲に話す3人の姿を見て「康二は力になりたいと支え続けた」と官蔵さん。大会出場のため関西地方まで車を運転することが何度もあった。がんは完治したが、「昔のような丈夫な体ではないのに子どもたち第一で考え、一生懸命だった」と振り返る。 康二さんと母敦子さん(47)が現地で応援する中、浜田選手は3位決定戦で敗れたが、官蔵さんは「4年後を目標に親子で頑張ってほしい」。父と子の物語を見守り続ける。=2012/08/10 西日本新聞=