中国語の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」を活用して観光情報を発信する取り組みが、東北の自治体の間で広がっている。東日本大震災の風評被害を「口コミ」で払しょくしようと、地元在住中国人の生の声を掲載するなど各自治体が工夫を凝らす。 中国人観光客が岩手、宮城、福島3県で最低一泊すれば、来日が3年間自由となる「数次査証(ビザ)」発給が7月から始まり、誘客活動が活発化する中、有力なツールとしての期待を集める。 5月1日にページを開設した仙台市は連日、食や文化、イベント情報を投稿。「仙台応援団」に任命された市内の中国人留学生ら約30人も、仙台の魅力や体験談を率直に伝えている。 6月から中国で知名度が高い同市出身の女子卓球ロンドン五輪代表福原愛選手(23)のメッセージ動画も配信。約2カ月で発信情報を読むために登録した「ファン」は6000人近くに上った。 市国際プロモーション課の担当者は「微博は、広大な中国全土に満遍なく情報を伝える手段として有効だ。仙台を好きになって観光に来てもらいたい」と語る。 福島県は2011年2月、東北の自治体で最も早く登録した。震災直後は、上海事務所のスタッフが県から得たライフラインの被災情報や原発事故の状況を発信した。「正確な情報を知ることができる」と評判になり、ファンは3万4000人に達した。 11年12月に運用を始めた青森県のファン数は3万2000人を突破した。委託会社の中国人スタッフがファンのコメントに対してこまめに回答し、ネット上のコミュニケーションに気を配り、好感度アップを目指す。 微博にページを持つ国内の自治体は東京都など30を超える。東北では山形県が本年度中に導入予定。岩手、宮城両県も活用に向け検討を始めた。 自治体から委託を受け微博を運営する「中小企業WEB活用研究会」(東京)の高橋学代表理事(37)=仙台市出身=は「中国社会では、情報統制されている新聞、テレビより、口コミ情報が最も信用されるので、微博は観光宣伝には最適。中国人目線の情報発信が不可欠だ」と話す。[微博]中国新浪公司などが運営する中国語のミニブログサービス。利用者は中国本土や香港、台湾などで3億人を超える。140字以内の文章の投稿が可能で、ほかの利用者の「ファン」に登録すれば、情報を共有できる。中国では公式には利用できない米国発の「ツイッター」や「フェイスブック」に機能が似ている。