開会式の華やかな雰囲気は、夢が実現したことを実感させてくれた。88年のソウル大会。鈴木大地さんが勇気のレースで16年ぶりの金メダルを獲得した感動の瞬間に立ち会え、「君が代」を聞きながら、同じ日本代表であることを誇りに感じた瞬間だった。 あれから24年。五輪を迎えるたびに、選手たちの真剣勝負とその後の健闘をたたえ合う姿に感動をもらいながら、五輪の意義とスポーツの素晴らしさをさらに伝えたいとの思いを強くさせてくれる。 ロンドン五輪では、前人未到の3連覇に挑む北島康介選手を先頭に、世界ランキング3位内に男女8人が位置する「トビウオジャパン」。ソウル大会で大地さんが「日本人もやればできる」と証明してくれたことが契機となり、いまや、後輩たちは総合力で世界と堂々と渡り合う力をつけてくれた。 近年の水泳は、水の抵抗といかに戦うかが鍵を握る。力任せに水をかくのではなく、流線形を保つ時間を長くし、抵抗を避ける効率泳法が主流になった。体格では外国勢に劣るが、高い泳法技術を持つ日本選手の水面を滑るような美しいストロークにも注目を願いたい。 五輪独特の雰囲気は国内予選と違う。自分でも気付かないうちに重圧となり、焦りや力みから本来の力を出し切ることは本当に難しい。アテネで金を獲(と)った柴田亜衣さんの信条である「慌てず、焦らず、諦めず」を実践し、センターポールに日の丸が何度も上がることを願っている。(山形市・44歳)