イスラム教徒が日中に飲食を断って信仰を深めるラマダン(断食月)がロンドンでも20日から始まりました。断食の時間は日の出から日没まで。日の出前に朝食を済ませ、日没後に「イフタール」と呼ばれる食事をします。これが五輪期間中続きます。  ラマダン入りの20日、主会場の五輪公園内の移動手段になっているロンドン名物「赤い2階建てバス」に、報道関係のイラン人男性が暗い顔で座っていました。  私「どうしたの?」。  男性「今日からラマダンが始まる」。  彼の愚痴が始まりました。緯度が高いロンドンでは日没が遅く、日の出が早い。このため午後10時半ごろにイフタールを取り、午前3時には朝食になり、睡眠時間は3時間前後。そんな生活でこれからどうやって五輪を報じろというのか―。  この男性は「これからのことを考えると本当につらくて、憂鬱(ゆううつ)になる」と話しました。  五輪選手にとって、大会期間中のラマダンは体への負担が大きく、もっと深刻です。ただ、イスラム教では、旅行者や戦場の兵士などは断食の除外対象としており、五輪選手も「旅行者」としての例外規定をよりどころに、出場する全種目が終わってから断食に入るケースもあるようです。  「国際オリンピック委員会がラマダンと重ならないよう(将来の)五輪の時期をずらす可能性を検討するようだから、それに期待するしかない」と男性。  彼の期待通りになるかどうか分かりませんが、世界中の人たちが参加する五輪は、さまざまな課題も抱えているようです。(ロンドン共同=和田真人)