ロンドン五輪柔道女子57キロ級で金メダルを獲得した松本薫(かおり)選手(24) =金沢学院東高OG、フォーリーフジャパン=は17日、小中学生時代に通った道場や石 川県庁、金沢市役所などを訪問し、各所で熱烈な歓迎を受けた。同市石引2丁目の岩井柔 道塾で松本選手を迎えた恩師の岩井克良さん(66)は、本人から金メダルを首にかけら れ「うれしいを通り越して幸せ。夢のようだ」と語り、偉業を達成したまな弟子を何度も たたえた。  「よく頑張った。ずっと褒めてやりたかった」。かつて厳しい指導で松本選手をおびえ させた岩井さんも、この日は金メダリストとなった教え子を笑顔で出迎えた。  連日の取材攻勢で疲れていないかを心配したが、松本選手は「大丈夫です」ときっぱり 。岩井さんは「疲れていても薫はそう言わない。昔から絶対に弱音を吐かない子だった。 変わってません」と懐かしそうに語った。  この日、道場で稽古していた小中学生らに対して松本選手は「私もここの卒業生です」 と紹介。岩井さんが「死ぬまで卒業じゃないよ」とすかさず割って入ると、松本選手は思 わずたじろぎ「卒業してません」と訂正した。  岩井さんは、松本選手の来訪がうれしくてたまらない様子で「試合に勝つたびきれいに なっていくな」と声を掛けると、松本選手は「いえ、そんなことないです」と照れくさそ うに笑った。  岩井さんにとって、松本選手は弟子であり、恩人でもある。10年前、脳梗塞で左半身 が不自由になってからは、松本選手の活躍が心の支えとなり、リハビリに励むことができ た。  「感心するだけじゃなく、私も頑張らないといけませんね」。指導歴41年、金メダリ ストとなった教え子に元気をもらった岩井さんは、体力の続く限り道場に立ち続ける。