ロンドン五輪の閉会式で五輪旗はロンドン市長から、2016年大会の開催地ブラジル・リオデジャネイロ市長に引き継がれた。浜松城北工高柔道部3年フジタ・ケンジさん(17)は4年後に母国で開かれる南米初の五輪出場を目指し、決意を新たにした。 フジタさんは、北京五輪女子柔道63キロ級ブラジル代表バルボザ・ダニエリ・ユリさん(天竜林業高出)を育てた浜松市中区の日系人向け道場に中学時代から通う。来春の高校卒業後に単身、母国へ戻り、五輪代表の座を懸けた大会に挑戦する。 日系3世のフジタさんは小学生の時に来日し、外国人学校の部活動で柔道に触れ、競技を始めた。人一倍の練習を重ね、市立笠井中で東海大会優勝。高校では県大会決勝に何度も進んだが、あと一歩で全国大会出場を逃した。 「自分の可能性を諦められない」と競技継続の道を模索。母国の大学の特待制度を見つけ、「渡航費用は自分で稼ぐから」と家族を説得した。 五輪を身近に感じたのは4年前。道場で一緒に練習していたユリさんが大舞台に立つ姿を見て「すごい」と体が震えた。「日本人相手に気後れしがちな道場の後輩に自信を持たせるためにも、自分が頑張る姿を見せたい」。ロンドン五輪を前に、東京で合宿していたブラジル代表選手団に会いに行き、さらに意識は高まった。 フジタさんが通う「井上柔道クラブ」の井上ファビオ代表(41)は「誰よりも練習する彼の姿は子どもたちの見本。順調に伸びれば代表も十分狙える」と期待している。