薫先輩が気迫の金メダル-。ロンドン五輪柔道女子57キロ級で優勝した松本薫選手(24)が練習拠点とする母校・帝京大の後輩部員らは優勝の瞬間、互いに抱き合って喜びを分かち合った。後輩たちは、日野市にある女子柔道部の合宿所でテレビ観戦。必死の声援は歓喜の涙に変わった。松本選手が住む多摩市も三十一日、五輪報告会の日程を決め、表彰の検討に入った。 (福岡範行)  今も練習をともにする後輩たちにとって、松本選手は尊敬する先輩だ。精進、努力に妥協しない半面、練習以外では変なポーズの写真を撮ってふざけ合う。恋愛話も真剣な相談も交わす「話しやすく頼れる姉」でもある。  松本選手は一年余り前、四年の茅島直美さん(21)との練習で右膝靱帯(じんたい)損傷のけがを負う。二カ月後に迫る世界選手権。「すみません」と半泣きで謝る茅島さんに、リハビリ中の松本選手は笑顔で返す。「仕方ない、仕方ない。今やれることをやるから」  数カ月後、都内の大会で敗れた茅島さんを松本選手は多摩市の焼き肉店に誘い「死にゃしないよ。いっぱい食べな」と元気付けた。  テレビ観戦しながら「勝ちたい気持ちが空回りしないで」と祈り続けた茅島さん。優勝した先輩の勇姿に笑顔もはじける。「最高。自分のことのようにうれしい」  多摩市の阿部裕行市長は「ひと試合ひと試合に全身全霊をかける姿に感動した」とコメント。二十一日午後四時から、多摩市落合二のパルテノン多摩大ホールで、松本選手ら地元にゆかりの選手の五輪報告会を開く。