ロンドン五輪サッカー女子決勝で日本代表「なでしこジャパン」は米国に1-2で敗れたが、同競技で男女を通じて最高の銀メダルを獲得した。選手たちの東北の出身地や出身校では10日未明、家族や知り合い、後輩が集まり、スタジアムで躍動したなでしこたちをたたえた。 DF岩清水梓選手(25)の出身地、岩手県滝沢村の村公民館では、岩清水選手の祖父母、奨さん(78)と絹子さん(78)らが鉢巻き姿で応援した。 午前3時45分、試合開始のホイッスルが鳴ると、集まった約160人の視線が一斉に会場の大型テレビに注がれた。 前半8分、日本が米国に先制点を取られると、会場に「あーっ」と声が上がった。後半に追加点を奪われるが、18分には待望の1点を取り、会場の盛り上がりは最高潮に。日本はその後も粘り強く攻めたが、追い付けず試合は終了した。 絹子さんは「負けたのは残念だけれど、よく頑張ってくれた」と孫の活躍を褒めた。奨さんは「銀メダルでも、うれしい。早く梓の顔を見たい」と顔をほころばせた。 DF鮫島彩(25)、熊谷紗希(21)、MF田中明日菜(24)の3選手が卒業した仙台市青葉区にある常盤木学園高の講堂には地元在住のサッカー部員や生徒、教職員ら約50人が集まった。 顔に日の丸などのシールを貼り、プロジェクターの映像を見ながら応援。3年の鈴木絵理奈さん(17)は「五輪の大舞台で活躍する先輩たちはかっこいい」と話した。 生徒は、スクールカラーの緑色のメガホンをたたいて声をからしたが、願いは届かなかった。 サッカー部2年で年代別の日本代表に選ばれたことがある佐々木美和さん(17)は「3先輩とも一生懸命プレーしていた。自分も(フルの)日本代表に入りたいという気持ちが強くなった」と刺激を受けていた。◎次へさらに成長期待/常盤木学園高サッカー部阿部監督 DF鮫島彩(25)、熊谷紗希(21)、MF田中明日菜(24)の3選手を育てた常盤木学園高サッカー部の阿部由晴監督(49)は、決勝が行われたウェンブリー競技場で教え子の活躍を見守った。 阿部監督は、昨夏のワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝の際も現地に足を運んだ。歓喜の再現はならず、「W杯では勝ったが、力は米国の方が上。向こうはチャンスを生かし、日本は生かせなかった」と分析した。 先発出場した鮫島、熊谷の両選手については「スピードへの対応とマークに甘さがあった」と指摘しながらも「後半は持ち味を出せていた」と評価した。 仙台から世界の大舞台に羽ばたいた3選手。阿部監督は「田中明日菜を含め、3人とも次のW杯や五輪で代表に選ばれる保証はない。銀メダルに浮かれることなくさらに成長してほしい」と、奮起を期待した。