ロンドン五輪が開幕しました。開幕前のロンドン市内は期待と興奮に沸いている…と思いきや、開幕直前まで、実は、それほど盛り上がっていませんでした。長引く不況の影響もあってか、意外に冷ややかな反応。しかし、開幕するや突如、盛り上がってきました。押し寄せる観光客、奇天烈(きてれつ)な開会式。楽しみ上手のイギリス人、ここは乗るしかないのでしょう。 奇才映画監督、ダニー・ボイルが演出した開会式は、さながら壮大な叙事詩。大英帝国の軌跡を産業革命前から、世界大戦、社会保障政策、クラブ文化に至るまで網羅した3D演劇です。真面目にやるだけでなく、きちんとふざけるところも英国風。ジェームズ・ボンドが女王陛下(本物)とヘリコプターからダイブして登場するシーンを映像と現実を織り交ぜて演出したり、ミスター・ビーンがキーボード奏者としてオーケストラに紛れ込んでいたり。 しかしながら、主役はあくまで一般市民。健常者、障害者、さまざまな年代、肌の色、職業の市民が、歌や踊りで色を添えました。著名人だけで派手に仕上げることも可能なのに、市民に寄り添い、さまざまな背景を持つ人をまとめあげ、市民の祭典を演出できる英国に感服。「We are equally different.」。私たちは、平等に違っている。けれど、同じ人間だというメッセージに、ロンドン、そして英国の懐の深さを感じました。 私たち家族も早速、イギリス対ブラジルの女子サッカーを観戦。ボランティアスタッフの温かい対応とジョーク、予想外に整った交通手段のおかげで、子供連れでも十分楽しめてしまい、イギリスの勝利をさかなに、ついつい飲みすぎてしまった母なのでした。 混雑やずぼらな対応が懸念されていたオリンピックですが、どうやら、英国が本気を出すと、そのような問題は朝飯前だったようです。予定していなかったのですが、オリンピック旋風に乗ってきた私たち夫婦、なでしこジャパンの準決勝も観戦してきました。 いつが開幕かも知らなかったのに、すっかり、お調子者の英国気質に染まっています。ロンドン五輪が、このほどよい熱気を帯びたまま無事に閉幕することを祈りつつ、この街にこの夏にいれる幸運を堪能しつくそうと思います。高松市出身、主婦 ウァーサイム直子