ロンドン五輪に合わせ、サッカー日本代表のシンボルマークで、熊野信仰で神鳥とみなされる八咫烏(やたがらす)の巨大絵馬「八咫駅長」が、熊野市のJR熊野市駅にお目見えしている。五輪終了後は和歌山県内の観光協会に譲渡することが決まっており、八咫駅長の“勇退”に花を添えてもらおうと駅員は選手の活躍を祈願している。  絵馬は、二〇一〇年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に合わせ、当時駅員だった尾鷲市出身の薗部高保さん(39)が作った。熊野観光の拠点で、代表チームとゆかりのある同駅からエールを届けようと、尾鷲ヒノキを幅二・九メートル、高さ一・八メートルの絵馬に仕立て、幅一・六メートルの発泡スチロール製の八咫烏を表に貼り付けた。  駅員の帽子を模して頭部を彩色し、日本代表の応援マフラーを巻くなど細部まで凝った。W杯では、駅利用客が応援メッセージを記した小型絵馬を置くコーナーを設けるなど、市民に親しまれていた。  八咫駅長の長期展示は、W杯に続いて二回目。サッカーの日本代表が敗退すると取り外されるルールとなっているが、女子の「なでしこ」が決勝、男子も三位決定戦まで進出したため、五月末の設置から二カ月以上の“長期勤務”になっている。  松原正也駅長(55)は「五輪での日本代表の活躍を見ると、気持ちが爽快になる。男女とも最後の一試合でぜひ勝利してほしい」と力を込めた。  (小柳悠志)