4日のロンドン五輪男子サッカー準々決勝でエジプトを下し、44年ぶりの4強入りを決めた日本。FW斎藤学選手(22)=横浜F・マリノス、川崎市幸区出身=は170センチにも満たないチーム一小柄な体だが、4年に1度の夢舞台でも自信に満ちた表情で奮闘している。  日本は先制点を決めた永井謙佑選手(名古屋)が負傷。前半20分、急きょ出番はやってきた。しかし、斎藤選手は落ち着いた表情でピッチへ。後半35分には鋭いシュートを放ち、守備でも献身的に走った。試合終了の笛が鳴った瞬間、最高の笑顔でチームメートと抱き合った。  五輪代表に選ばれた直後は、喜びと不安が半々だった。「選ばれたのは驚きましたけど、冷静になって、僕は(試合に出る)チャンスはないですよ」。横浜Mジュニアユース(中学生)時代の恩師で、現在はプライマリー(小学生)を指導する西谷冬樹コーチ(42)に、斎藤選手はこう漏らしたという。  各世代別代表を経験するなど華々しい経歴の斎藤選手でも、大会前になると「シュートが決まらないんです…。どうしましょう」と弱気な発言が多かった。西谷コーチは「心配性の性格。『(プレー)時間の長さとか、そういうもんじゃないぞ。チャンスはある。らしさを出せよ』と、前向きな言葉で送り出した」と笑う。  斎藤選手はトップチームへ昇格してから2年間は控え選手だった。「通用する技術はあったが、試合経験が浅かった」と同コーチ。そこで昨季はJ2愛媛へ1年間移籍。36試合で14得点を挙げ、古巣へ戻った今季は迷いのないプレーでリーグ上位の横浜Mの攻撃を支えている。「武器が生かせていなかったけど、挫折を味わい、試合に出られるようになって自信になったのかな」と意識の変化を語る。  1次リーグ初戦で強豪スペインを1—0で破った後、斎藤選手は恩師にこんなメールを送っている。「とにかく守備と、(球を)持ったら仕掛けます。一生懸命やります」  頂点まであと2試合。一戦ごとに自信を深め、純粋に強豪との試合を楽しんでいる。