ロンドン五輪のサッカー女子で、日本が準々決勝進出を決めた1次リーグ最終戦の南アフリカ戦に、宇都宮市出身の安藤梢選手(30)=デュイスブルク=が今大会初先発を果たした。豊富な運動量で攻撃をけん引。チームが主力を温存する中で存在感を示し、決勝トーナメントでの飛躍に弾みをつけた。 (磯谷佳宏)  前半12分、右サイドでスルーパスに抜け出し、右足でシュート。後半20分にも、相手ゴール前でボールを受け、迷うことなく左足を振り抜いた。相手DFに当たりボールはゴールをそれたが、その後も果敢にシュートを狙い、最後まで南アに脅威を与え続けた。  昨夏のワールドカップ(W杯)ドイツ大会では、全六試合に先発。スタメン定着は、佐々木則夫監督から得た信頼の証しだった。攻撃での積極的な仕掛けと、前線からの守備に献身的に向かう姿は「なでしこジャパン」の象徴でもあった。  だが、「世界一」に満足してはいられない。今大会は控えに甘んじている。女子サッカー界はW杯より五輪至上主義。「W杯は二十一人だけど、五輪は十八人。(代表に)選ばれても、ポジション争いがある」。ベンチスタートを余儀なくされても準備を怠ることなく、汗を流してきた。  今大会初戦のカナダ戦は途中出場。後半20分に出場すると同33分、ゴール前で味方の落としたボールを右足でシュートを放つ決定機もあったが、相手DFに阻まれた。それでも、攻撃的な姿勢で、相手に牙をむき続けた。  三十路(みそじ)を迎えたベテランのサッカーに懸ける貪欲さは、ステージを追うごとに激しさを増している。「一人一人がレベルアップして、成長しないといけない」。準々決勝は三日のブラジル戦。再び、闘争心を秘め、次なる戦いに挑む。