【グラスゴー向吉三郎】FW永井謙佑(名古屋)がピッチを縦横無尽に駆け回る。優勝候補のスペインを抜群のスピードで圧倒した。1−0で迎えた前半41分、前線へのボールに勢いよく飛び出すと、永井の突破を阻んだ相手からレッドカードを引き出した。この時点で11人対10人。数的優位の状況をつくり、歴史的1勝につなげた。 ロンドン世代の合宿はU−18日本代表から参加。福岡大1年の2007年、九州国際大付高(福岡)を卒業したばかりだった。「食らい付かないと、とやる気が出た」。代表合宿では同部屋の香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)らに刺激を受けた。卓越したスピードを持つ永井は3歳から5年間を過ごしたブラジルで、地元の子どもたちとストリートサッカーで遊んだ。幼少期に培われた才能が花開いた。 CKからの大津の先制弾も永井とMF東慶悟(大宮、北九州市出身)が演出した。ゴール前に入る永井にクロスを送ろうとする東。相手DFは外にクリアするしかなかった。2年前の広州アジア大会から「関塚ジャパン」入りしている東。「永井君とはずっと一緒にやっているからパスの出しどころが分かっている」 ロンドン五輪代表の「九州男児」は6人。東福岡高出身のDF長友佑都(インテル・ミラノ)らがいた北京五輪の4人を上回った。九州から羽ばたいた若きサムライたちが夢のメダルへの道を切り開く。=2012/07/27付 西日本新聞朝刊=