日本サッカー協会は2日、ロンドン五輪の男女の日本代表各18人を発表し、女子の「なでしこジャパン」は全員が昨年の女子ワールドカップ(W杯)で初優勝したメンバーとなった。浦和からは矢野が選ばれ、沢(INAC神戸)、主将の宮間(岡山湯郷)らとともに五輪で初の金メダルを狙う。  23歳以下が原則の男子は、永井(名古屋)ら国内組と清武(ニュルンベルク)ら欧州組が入り交じった陣容。アジア予選の主力として活躍した東(大宮)は選出されたが、原口、浜田(ともに浦和)は落選した。大迫(鹿島)も選出されず、既にフル代表デビューした宮市(アーセナル)は外れた。  3人までのオーバーエージ(OA)枠は8月に24歳になる吉田(VVVフェンロ)と28歳の徳永(FC東京)の2人を使った。  男女とも11日に東京・国立競技場で壮行試合を行い、女子はオーストラリア、男子はニュージーランドと対戦する。  本番で女子は1次リーグF組で25日(日本時間26日)にカナダと初戦を迎え、28日にスウェーデン、31日に南アフリカと対戦。  男子は1次リーグD組で26日にスペイン、29日(同30日)にモロッコ、8月1日(同2日)にホンジュラスと顔を合わせる。 ■東、大宮初の大舞台  大宮から初めて五輪日本代表選手が誕生した。東は「チームのために全力で戦い、得点を挙げたい。優勝を狙っていく」と決意表明した。  「家で寝ていたら連絡がきた」と、まさに“果報は寝て待て”。発表前日も緊張することもなく、普段通りに過ごしたという。家族には、すぐに伝え「泣いて喜んでくれた。親孝行になった」と表情を緩めた。  "関塚ジャパン"を創設時から支える不動のメンバー。背番号「10」を与えられ、信頼の高さがうかがえた。だが、今季は3月に右足首を捻挫し、J1では無得点。チームも苦戦している。  U-23代表でも5月のトゥーロン国際大会では目立った活躍ができず、逆に宇佐美(ホッフェンハイム)ら欧州組が頭角を表した。攻撃陣の代表争いは激しさを増していただけに、今日までを振り返り「ほっとしている」と正直に話し、「ゴールもないし、チームは下位にいる。そういった苦しい中で代表に呼んでくれたことに感謝したい。恩返しじゃないが、ロンドンで結果を出したい」と固く誓った。本番で活躍するため、まずは競争のし烈な攻撃的ポジションでレギュラーを獲得する戦いに臨む。そして目指すは金メダル。「日本のため、埼玉で応援してくれる人たちのため、大宮を背負ってしっかり結果を残して帰ってきたい」と力を込めた。 ■矢野、みんなのために  埼玉スタジアムで記者会見に臨んだ浦和の矢野は会見後、クラブスタッフから色紙に意気込みを書くように促されると、「○○の為(ため)に」と書いた。「○○にはいろんな言葉が入る。日本のために、友達のために、家族のために」  代表候補に選ばれながら落選した浦和のGK山郷への思いもあるだろう。昨年のW杯ドイツ大会ではともに「縁の下の力持ち」としてチームを支え、初優勝に貢献した。  3度目の五輪を迎える28歳。チームの精神的支柱としての期待も懸かる。昨年のW杯ドイツ大会では先輩の山郷がいた。でも今度はいない。山郷が担った役割を自らが担うことになる。「チームでも年齢は上。自分が引っ張らないといけない。プレッシャーは大きいですね」と話す。  もちろん前回の北京五輪から成長した実感もある。「冷静にゲームを分析できるようになってきた。年を重ねた分、頭は成長しているかな」  昨年のW杯は直前の遠征での故障が影響し、出番が回ってこなかった。それだけに「ベストなコンディションに持って行きたい。そこは本当に気を付けたい」。ドイツで味わった悔しさをぶつける舞台にもなる。  男子も含めて浦和から唯一の選出。浦和でキャプテンも務める守備のスペシャリストは、レッズの誇りを胸にロンドンへ向かう。