ロンドン五輪フェンシングは女子エペ個人を行い、初出場の中野希望(大垣共立銀行)は初戦の2回戦でフィアミンゴ(イタリア)に11―15で敗れた。(共同) ◆4年後へ希望つなぐ  【ロンドン=古家政徳本社記者】「2ポイント差ならまだいける」。フェンシング女子エペ個人の中野希望(大垣共立銀行)は初戦の2回戦、8―10で迎えた最終セットを前に自らを奮い立たせた。思い切りの良いアタックで一時、相手を追い詰める。だが、届かなかった。「勝たないと意味がない」。持ち前の笑顔こそ保っていたが、悔しさは隠せなかった。  想定外だった。「相手はいつも自分の剣をたたいてから(アタックに)入ってきていた。でもきょうは接触なしで懐へと飛び込んでこられた」。第1セットこそ3―3でしのいだが、相手の果敢な攻めに戸惑い第2セット前半にはポイントを3連続で失い先行を許す。「同じことを何度もやられては勝つことなんてできない。なのに、同じ形で4度も失点してしまった」  五輪というかけがえのない場所。だからこそ起きるわずかな感覚のずれ。普段のように試合中に修正できなかったのは“五輪”の怖さだろう。相手の攻撃に反応して同時突きへと持ち込む巧みな技術も陰をひそめた。「自分は相手が出てきたところでクードゥーブル(同時突き)がうまくできるタイプなのに。そこで勝負が決まった反省もある」と肩を落とした。  とはいえ収穫もある。第2ピリオド序盤では相手の攻撃パターンに対抗するべく練習してきた、相手の剣をたたいてからの鋭い飛び込みでポイントを奪取。3月のワールドカップでは10点差近く離されて敗れた新進気鋭のイタリア人選手に終盤まで食らいついたこと自体が大きな手応えになった。  「対策はしていたし勝てなくはなかったと思う。敗因は(技術の差じゃなく)自分のミス。次のリオデジャネイロ五輪につながる試合になった」。試合後最初に出た「すいません」の一言の後には「でも次は必ずメダルを取ります」という言葉が続いたように聞こえた。