ロンドン五輪のボクシング男子ミドル級で金メダルの吉報が12日、目覚めたばかりの列島を駆け巡った。村田諒太選手が日本人で半世紀ぶりとなる金メダルを獲得。「すごいの一言」「興奮しました」。プロボクサーとして一足先に世界の頂点を極めた高校の先輩をはじめ、関係者も歓喜に浸った。 午前6時前、母校の南京都高では運命のゴングが鳴ると、生徒や教職員ら約110人は試合映像にくぎ付けになった。ボクシング部の田中風雅主将(17)が応援を引っ張り、全員で「村田」コールを繰り返した。 東京では世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級の世界チャンピオン、山中慎介さん(29)が声援を送った。同高の3学年先輩に当たり、村田選手が五輪切符を得た昨秋、山中さんは世界王者に輝いた。プロとアマ。進む道は違うが、互いに競技へのひたむきな姿勢を認め合う。 ロンドンにたつ直前には、都内のジムで一緒に汗を流した。スパーリングを見た山中さんは「外国人選手に劣らないフィジカル面があり、ボディー攻撃がうまい」とうなった。五輪では、まさにその力強さと技術で頂点まで登り詰めた。山中さんは「4年に1度の短期決戦にピークを合わせ、前に出る強い気持も素晴らしかった」と賛辞を惜しまない。 ボクシングの五輪金メダルは東京五輪以来48年ぶり。重量級では初の快挙だ。国体京都チームの監督として、村田選手を指導した経験がある河村秀明・同志社大監督(34)は「ミドル級は世界で選手層が厚く、強豪の旧ソ連諸国では国内選考を突破するだけでも大変。それだけに金メダルは本当に価値がある」と指摘する。 先輩の雄姿は後輩にも大きな刺激になったようだ。村田選手に憧れ、南京都高から東洋大に進んだ高橋拓磨さん(18)は「すべてにおいて最高だった。僕も村田さんの背中を追いかけて頑張りたい」と興奮気味だった。