千曲市出身で、県内初の女子プロボクサー宮尾綾香選手(28)=横浜市=が、大阪府豊中市で9月16日に行われる世界ボクシング協会(WBA)女子ライトミニマム級のタイトル戦で、王者の安藤麻里選手(24)に挑戦する。宮尾選手は「ベルトを必ず持って帰る。応援お願いします」と5年ぶりの世界戦を前に意気込んでいる。 宮尾選手は佐久市の信州短大に在学中の2003年11月、同市中込にあったジムの会長に誘われてボクシングを始めた。翌年4月に日本女子ボクシング協会(JWBC)のプロテストを受け、一度で合格。07年、タイの刑務所で行われた世界ボクシング評議会(WBC)女子ライトフライ級の王者決定戦では、タイ人の囚人の選手と王座を争い、判定負けした経験もある。 08年に横浜市の大橋ジムに移籍。「経験の長い選手も多く、良い緊張感がある」という環境で筋力強化に励み、4年間で体重が7キロ増えた。現在のWBA世界ランキングは11位。相手と距離を取って戦う「アウトボクサー」で、接近戦を得意とする王者の安藤選手とは対照的だ。 リング内で力強い動きを見せる宮尾選手も、友達と集まれば、何時間もおしゃべりに花を咲かせる普通の若い女性だ。だが、プライベートの時間でも、消化しやすい食べ物を選ぶなど「ボクシングのことはいつも頭の片隅にある」。 女子ボクシングは、07年に国内でプロが公認され、開幕が迫ったロンドン五輪でも行われる。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代さんの五輪挑戦も話題になった。首都圏では高校や大学の女子ボクシング部が熱心に活動しているといい、宮尾選手は「自分も社会もこの5年間で大きく変わった」と話す。 その一方で、長野県内では普及が遅れているとも実感している。「私も初めての試合を見せるまで両親から猛反対された。周囲から理解や応援が広がればうれしい」。自らの世界タイトル奪取を機に、故郷で女子ボクシングへの関心が高まればいいと思っている。(長野県、信濃毎日新聞社)