「志の高さ」を競う全国大会がある。先月、気仙沼市で開かれた「イノベーター公志園(こうしえん)」。若手起業家らの実践が、どれだけ震災後の社会を変える力になるか。聴衆の共感度が勝負を決める▼大会名が示すようにスポーツっぽい。才能ではなく努力の裏打ち。功名ではなく夢をかなえるという意志。支持が集まれば「伴走者」という同志を生み、先頭走者の背を押す▼ロンドン五輪で日本人選手の発する言葉が重い。「自分のためにやってきた競技に、今回は特別な力が加わった」と陸上ハンマー投げで銅メダルを獲得した室伏広治選手。一流競技者ほど、社会や地域とつながろうとする▼震災直後、独り故郷を離れ、現役復帰したフェンシングの菅原智恵子選手(気仙沼市出身)は「一生懸命やる姿は見てもらえたと思う」。不屈の粘りで入賞し、古里の市民に志を伝えた▼公志園では宅配業のネットを生かし、高齢者の見守り活動を行う松本まゆみさん(盛岡市)が「金メダル」を獲得した。「活動を全国に広げる。最後まで諦めない」と目標から目をそらさない▼挑戦する姿はそのこと自体が共感を広げ、公の財産になる。これまでいろいろあった五輪も終盤へ。熱く盛り上がりたい。公志園流に言うと「志援を送ろう」。