日本陸連は3日、世界ランキングの上位16カ国・地域が出場権を得るロンドン五輪のリレー種目で、1964年東京五輪以来48年ぶりに女子400メートルリレーの出場が決まったと発表した。リレー要員が正式に五輪代表となり、埼玉栄高2年の土井杏南選手(16)が入った。出場すれば陸上の戦後史上最年少となる。土井選手は「ほっとした。うれしい」と満面の笑み。また、埼玉栄高、平成国際大出の高橋萌木子選手(23)=富士通=も初の五輪出場を決めた。  土井選手は根っからの負けず嫌い。3歳上の兄・拓斗さんに追い駆けっこで負けたくなくて、小学5年から陸上を始めた。朝霞一中でメキメキ頭角を現し、2、3年次に全国中学大会の100、400メートルリレーで2年連続2冠。特に3年次に100メートルでマークした11秒61の中学新は、衝撃をもたらした。  埼玉栄高1年の昨年は高校総体100メートルで優勝。今冬はさらなるレベルアップを目指し、体幹強化とともに骨盤トレーニングを行った。天性の脚の回転スピード、バランス感覚に加え、ダイナミックな走りに進化。4月の織田記念で11秒53、50と高校新を連発。5月の高校総体県予選では11秒43とさらに更新した。6月の日本選手権では2位と、女王・福島千里選手(北海道ハイテクAC)を追い詰めた。  大躍進の陰には、必ずやり遂げたいという鉄のように固い意志がある。スタート練習だけに3、4時間も費やすこともあるほど。レースが予選、決勝だろうが関係ない。常に最高の走りを求めて挑み続け、一瞬、一レースも無駄にしないハートの強さが快進撃を支えた。土井選手の父・哲さん(45)も「陸上に対して真面目で、強い意志がある」と認めるほどだ。  タイムの向上とともに、五輪は夢から現実に変わった。土井選手は「今までで一番うれしい。でも、うれしいだけでは意味がない。ここから頑張りたい」。これまで周囲を何度も驚かせてきた16歳の少女。だが、本当の“杏南伝説”はここから始まる。