▼柔道女子57キロ級に続き、体操男子個人総合でも金メダル−。日本選手の活躍が続くロンドン五輪だが、日本の五輪初参加から100年のことしはまた、1912年7月30日の大正改元から100年の節目の年に当たる▼大正時代は15年。明治、昭和に比べて短いが、この間、現代の民主主義の源流ともいえるデモクラシーが芽生え、民衆、女性が存在感を増したことは歴史が示している▼その代表例が大正7(1918)年に起きた富山県を発祥地とする米騒動だ。米価高騰に生活不安が深まる中、8月3日の漁師の妻らの抗議行動を新聞各紙が取り上げ、騒動は全国に広がった▼米価高騰の原因は、第1次世界大戦に伴うインフレが進行する中、都市人口の急増で米の需要が増大していたにもかかわらず、生産が停滞したこと。加えて、シベリア出兵を引き金とする買い占めや寺内正毅内閣の失政が火に油を注いだ▼生活防衛のための抗議行動は寺内内閣を倒し、初の本格的な政党内閣である原敬内閣を誕生させる原動力となった。生活を脅かす政治に民衆は声を上げ、行動に移すことを示したのが米騒動だった▼五輪選手への声援が熱気を増す中、国会議事堂や首相官邸を取り囲む「脱原発」のデモも熱気を帯びている。“大正100年”のことし、民主党政権はこれにどう向き合うのか。1つ前へ戻る