アーチェリーの古川高晴(ふるかわたかはる)選手(青森市出身)がやってくれた。ロンドン五輪で見事、銀メダル。「きょうのためだけじゃなくて、1年後、2年後にうまくなるために練習をやっている」。そんな地道な努力の積み重ねが五輪出場3度目でついに実を結んだ。青森東高時代、大雪の日でも練習場で黙々と弓を引いていたという。「他人の3倍は練習していた」と知人は言う。今でも1日に射る矢は多いときで600本にも及ぶとか。「的の中心部を射抜くのが何よりも快感」とはいえ、練習量は半端ではない。「天才とは1%のインスピレーション(霊感)と99%のパースピレーション(汗・努力)のことだ」。アメリカの発明王トーマス・エジソンのこの有名な言葉を思い出す。エジソンは人並み外れた努力家だったらしい。が、古川選手も努力ではさほど劣るまい。「ここぞという場面で力を抜け」。こんな大学の恩師の言葉が不調脱出のヒントになったという。「足りなかったのはこれだったのか、と胸にピーンときた」。霊感も働き始めたらしい。北京大会では「勝たなきゃ」という重圧に負け、1回戦で敗退した。今大会では余計な力みが消えたという。恩師とはありがたいものだ。もともと技術は世界トップレベルだ。準決勝では大きくリードされていたのを土壇場で追い付き、延長戦で勝利した。エジソンが言う天才の域に近づいてきたか。古川選手の快挙に県民は大いに勇気づけられた。努力はいつか実る。そんな大切なことも教えてもらった。