【ロンドン=大橋大介】ロンドン五輪第8日の3日、アーチェリー男子個人で古川高晴選手(27)=近大職、青森東高-近大出=が銀メダルを獲得した。現地で快挙を見届けた父勝也さん(60)と母礼子さん(57)は、表彰台に上った息子の雄姿に「誇りに思う」と感無量の様子だった。 表彰式で銀メダルを首にかけ、誇らしげな表情を見せた古川選手を、じっとスタンドから見つめていた勝也さん。写真を撮りながら、「すごいこと。最高にうれしい」と大喜びした。隣の礼子さんも「信じられない。『ありがとう』と言いたい」と声をうわずらせた。 2人は、3度の五輪をいずれも現地で見守ってきた。メダル獲得を目指して臨んだ北京五輪は、1回戦負け。試合直後、古川選手が2人のいるスタンドに来て「ごめんなさい」と頭を下げた時には、「かける言葉がなかった」(礼子さん)。 古川選手が味わってきた悔しさを、一番身近で知っているだけに、こみ上げてくるものがあったのだろう。礼子さんはメダル獲得が決まった瞬間、思わず涙を流した。 古川選手が青森市の実家に戻ってくる時、2人が心掛けているのは「普通に接すること」。アーチェリーの話はほとんどせず、リラックスしてもらうことに努める。ことしの正月に戻ってきた時、古川選手から「大阪の空揚げは薄味だから、塩味の効いたのが食べたい」とリクエストを受けた礼子さん。濃い味の空揚げを作ると、おいしそうに食べていたという。 「アテネ、北京での経験が生きたのだろう」と成長ぶりに目を細めた勝也さん。礼子さんは「悔しい思いをいっぱいして、毎日、毎日練習してきた。報われて良かった」と話していた。