日本時間3日夕から4日未明にかけ行われたロンドン五輪柔道女子78キロ超級で、2007年秋田わか杉国体の本県成年女子を初優勝に導いた杉本美香選手(27)=コマツ=が、銀メダルを獲得した。国体で歓喜を共にした監督や選手は、かつての僚友をたたえ、ねぎらいの言葉を贈った。  杉本選手は兵庫県出身。国体に向け補強を模索していた県柔道連盟の誘いで筑波大卒業後の07年、コマツ秋田に籍を置き、本県選手になった。前年に左膝を手術するなどけがに悩まされていたが、実力はもちろん、朗らかな性格と誠実に柔道に取り組む姿勢が、周囲に良い影響を与えてくれると期待された。 3人の団体戦で行う国体では、大将を務めた。先鋒(せんぽう)だった同学年の保坂安和(あんな)さん(28)=秋田市=は、国体の決勝を思い出す。敗れた保坂さんに、杉本選手は「安心して。私が(一本)取るから」。自身も重圧から体調は万全ではなかったはずだが、笑顔で声を掛けてくれた。次鋒に続き、杉本選手は開始22秒で約束通り一本勝ちした。 教員を目指しながら秋田女子柔道会で競技を続ける保坂さんは今年6月、岩手県で行われた全日本実業柔道団体対抗大会で、杉本選手に会った。杉本選手は再会を喜び「五輪が終わったら秋田に旅行に行きたい」と話した。柔和な笑顔は当時のままだった。 五輪を自宅でテレビ観戦した保坂さんは「決勝では負けたが、試合運びは良かった」とかつてのチームメートをねぎらった。「メダリストと一緒に国体で戦えたことを誇りに思う」と語った。 国体成年女子の監督を務めた六郷高校長の佐々木光雄さん(57)は国体翌年、教頭を務めていた湯沢高稲川分校に来て講話をしてくれるよう杉本選手に頼んだ。杉本選手は快諾し、都内での練習の合間を縫って来校してくれた。気さくに生徒と触れ合う姿が、今も印象に残っている。 五輪の試合を観戦していた佐々木さんは、決勝直前、携帯電話で杉本選手に「思い切っていけ」とメールを送った。願いは届かず惜しくも敗れたものの「決勝までは彼女らしい勢いのある戦いだった。よく頑張った」。しみじみとした口調で、賛辞を送った。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)