英国のエリザベス女王も登場し、ユーモアもたっぷりの演出で世界中を沸かせた五輪開会式から一夜明けると、本格的に競技が始まりました。最初の1週間は日本の「お家芸」柔道の試合が続いています。  「エクセル」という会場へは、ロンドン中心部から赤い2階建てバスで約30分。柔道だけでなく卓球や重量挙げなど、幾つもの競技が同時並行で行われ、中央の回廊はいろいろな国旗を抱えた世界中からの観客でごった返しています。  観客席で選手の関係者を取材する機会が多いですが、柔道会場は連日ほぼ満員。会場内は熱気にあふれ、特に地元英国の選手が登場すると、会場は大きな声援と、活躍を期待する足踏みの音で包まれます。優れた技を見せた選手には、たとえ他国であろうと惜しみない拍手が送られるのは、すばらしいなと思います。  日本選手団のメダル第1号となった柔道男子60キロ級の平岡拓晃選手(27)の母雅子さん(54)は、穏やかな笑顔で息子の戦いを見守りました。表彰式が終わると、平岡選手は銀メダルを雅子さんの方に掲げました。観客席の最前列で見守った雅子さんのほほには、大粒の涙が伝っていました。  とんかつが大好物の平岡選手。五輪代表選考会前の約1カ月間、雅子さんは栄養学を勉強して減量メニューを作って支えました。平岡選手は「おいしい」と言って食べ「減量が楽だった」と話していたそうです。雅子さんも役に立てたことがうれしかったとか。  そんな話を聞くと、目標の金メダルには一歩届かなかったけど、家族の思いが込められたメダルなのだとあらためて考えさせられ、胸に込み上げてくるものがありました。  凜(りん)とした表情で畳に上がり、きちんと道着の乱れを正し、深々と礼をして去っていく日本選手のたくましい背中を目で追いながら、取材中とはいえ、心の中では精いっぱい応援しています。(ロンドン共同=小川美沙) ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)