2012.7.31ロンドン五輪サッカー男子で、日本代表が優勝候補スペインを撃破したのは、英国スコットランドの工業都市グラスゴーだった▼二戸市出身の物理学者田中舘愛橘(あいきつ)が、留学でこの地を踏んだのは1888(明治21)年。以来、数々の国際会議出席で世界を駆け巡る。世界6カ所に置く臨時緯度観測所が99年、水沢に開設されたのも、国際人脈を持つ田中舘の尽力があった▼サッカーの大金星と同じ26日。緯度観測所の後身、奥州市水沢区の国立天文台水沢VLBI観測所が質量の大きい星の生成過程を観測したと発表した。韓国と共同による世界初の成果で、ウランなどの放射性物質が地球にある謎を解き明かす一歩になるという▼観測所は奥州市民が誇りとする存在だ。本県に超大型加速器・国際リニアコライダーを誘致する上でも、国際的な研究機関が既にある意義は大きい。今度は世界6カ所の候補地から一つだけ選ばれるのだが▼ほととぎす/なくや五月雨/ふるさとの/いけのあやめは/さかりなるらん。英国留学中に田中舘が詠んだ望郷の歌がある。「衛星」の異名を取るほど地球を飛び回る中、古里を思い続けた▼田中舘の没後60年を記念する科学フェスティバルが8月4日、二戸市で開かれる。県北なまりの物理学者が郷土にまいた種は、時を経ても花を咲かせ続けている。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)