「土佐日記」の書き出しをまねると、「男もすなる競輪といふものを、女もしてみむとて、するなり」となろうか。女子競輪(ガールズケイリン)が48年ぶりに復活し、幕開けを告げる2レースがきのう、神奈川県の平塚競輪場で行われた。戦後、日本生まれの競輪には男くささが漂うが、しばらくの間は女子競輪もあった。人気低迷で女子競輪は1964年に廃止。ロンドン五輪で女子ケイリンが正式種目になるなど、競技としての「ケイリン」が世界で認められたことが復活を後押ししたという。きのうの本紙「ただ今修業中」で紹介したように、平塚競輪のレースには高知市在住の23歳、山口菜津子選手の姿も。1期生33人の1人。高卒後も自転車とは無縁の会社に勤めていたが、「女子競輪が始まる」という弟のひと言に運命的なものを感じ、未知の扉をたたいた。別のレースに出走した高松美代子選手も異色。かつては都内の小学校教員で、50歳になったばかり。実の娘と同世代の仲間との練習はきつかったが、「挑戦することは自分を生き生きと輝かせること」と前向きだ。サッカーの「なでしこジャパン」が象徴するように、スポーツ界でも女性の活躍がめざましい。競輪復活はこの流れの中にあるが、今度は成功という保証もない。山口選手の好きな言葉は「克己」。己との闘いでもあるペダルの一こぎ、一こぎは、女性史の新たなページにつながる。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)