「選手のためにフェアな判定を心掛けたい」。ロンドン五輪のバドミントンで、県立宇都宮南高校バドミントン部顧問の遠井努教諭(43)が日本人で唯一、主審として参加する。日本人の主審は五輪史上二人目といい、自身は二〇〇四年のアテネ五輪で線審を務めて以来の夢舞台。十三日には県庁を訪れ「自信を持って臨みたい」と意気込みを語った。 (磯谷佳宏)  バドミントンの国際審判員には四つのランクがある。このうち五輪で主審を務めることが許されるのは、世界バドミントン連盟の公認国際審判員のみ。遠井さんは現在、日本人では唯一の有資格者で、世界でも五十人弱しかいないという。  遠井さんが、初めて国際審判員になったのは一九九八年。「最初から五輪の審判になりたかった」。数々の国際大会で経験を積み、線審として迎えたアテネ五輪。転機が訪れた。  ようやくたどり着いた大舞台。「線審はラインジャッジだけなので、落ち着いて試合を見ていた」。一方で「主審が光って見えた。五輪に来るなら主審で来たいと、ものすごく思った」と振り返る。  だが、当時の資格では五輪で主審を務めることはできない。「もう一回テストを頑張ろうと上を目指し始めた」。語学力などをさらに高めて〇九年、現在の資格を取得した。バドミントンの審判は、主審一人に対し、線審は十人。だからこそ、アテネ五輪と今回では責任感や重圧が「まったく違う」と語る。  五輪本番で、審判は準々決勝から指名制となる。大会を通じて判定の正確さなどが評価されなければ、指名を受けられない。「上位の試合もできるように頑張りたい」。審判の世界にも生き残りを懸けた勝負がある。  むろん、日本人選手が上位に進出した試合では、主審を務めることはできない。それでも「審判の癖や、審判間のミーティングで出た指示を伝えることはできる」と選手の後方支援にも意欲的。「選手は人生の懸かった試合をする。失敗は許されない」。選手とは違うもう一つの戦いが、間もなく幕を開ける。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)