閉会式で次々と登場する英国出身アーティストの音楽に酔いながら、世界の選手は8万人の観衆と共に17日間の戦いを振り返った。4年に1度のスポーツの祭典「ロンドン五輪」が熱狂のうちに幕を閉じた。 204の国と地域から約1万500人の選手が一堂に会し、26競技の302種目で勝負に挑んだ。ジャマイカのウサイン・ボルト選手が陸上で五輪史上初の2大会連続100メートルと200メートルの二冠を達成し、米国のマイケル・フェルプス選手は金18を含む22個の五輪史上最多メダルを獲得する偉業を成し遂げた。 女性進出の記念すべき大会ともなった。ボクシング女子が採用され、全競技初の男女実施となり「男女平等の原則」をうたった五輪憲章が踏襲された。歴史の扉を開く大会の成功を祝いたい。 近代五輪116年の歴史で初めて女子を派遣したことのない国・地域がなくなったことも特筆すべきだ。サウジアラビアから女性初参加の柔道選手はイスラム教の慣習に従い、髪を隠すために帽子をかぶって試合に臨んだ。初戦で敗退したが、観客が満場の拍手でたたえた光景は忘れられない。 日本勢も健闘した。1912年のストックホルム大会の初参加から100年となった今大会で金メダル数は目標の世界5位、15個に及ばなかったが、金7、銀14、銅17の計38個のメダルを獲得し、史上最多となった。素直に喜びたい。 残念な光景もあった。バドミントンの女子ダブルスで韓国や中国などが無気力試合で失格となった。有利に勝ち抜くためにわざと負けるプレーをし、全力試合の空気に水を差した責任は重い。 疑問を抱かせる判定も相次いだ。柔道男子では日本と韓国の一戦で主審ら3人が審判委員の異議の後、最初の判定と正反対の旗を揚げた。ボクシングでは日本選手の対戦相手が6度も床に倒れたが、レフェリーは日本選手に判定負けを下した。日本側の提訴が認められて覆ったが、後味の悪い印象を抱かせた。 内戦が続くシリアからも選手が出場した。どんな思いで競技に臨んだのだろうか。世界は混迷が続く。未来を志向する若者の祭典が世界平和の進展のきっかけになってほしい。閉会式で流れたジョン・レノンの「イマジン」の歌詞にある「平和な世界を想像してごらん」の思いを受け止めたい。 ...[記事全文](this.kiji.isドメインへ遷移)