バンタム級・清水聡、ミドル級・村田諒太のメダル獲得は、ともに準々決勝を勝ち抜いた時点で確定していた。ボクシングでは3位決定戦がないためだ。2人は10日(現地)の準決勝に登場、清水は敗れたため3位にとどまったが、日本としてはメキシコ大会の森岡栄治(バンタム級)以来、44年ぶりの銅メダル獲得。村田は逆転勝ちで48年ぶりの金メダルへの挑戦権を得た。決勝は11日に行われる。  ▽アウェーの中で奮戦  清水の相手は地元選手で、約1万の観衆で埋まったスタンドは英国びいき一色の応援に。そんな雰囲気にひるむことなく清水は戦った。179センチの長身から長いリーチを生かして積極的にパンチを繰り出した。しかし、昨年の世界選手権で2位の実力者、キャンベルを追い詰めることはできず、ポイント11-20の判定負けが決まった。  周囲からは「逆転の清水」と呼ばれていたという。4月のアジア最終予選は準決勝で敗退したものの、その相手が優勝したことで北京大会に次ぐ2度目の五輪切符を手に入れた。この大会の2回戦では猛攻が正当に評価されずいったんは判定負けに。数時間後に提訴が認められ「逆転」の勝利となった。地道に努力を重ねる男を勝利の女神が見放さなかったということか。さまざまなドラマを経ての準決勝進出だった。「出るからには金メダルをと頑張っていた。44年ぶりの銅メダルを取れて、少しほっとしているけど、悔しい気持ちもある」と清水は振り返った。  ▽目標は48年ぶりの快挙  村田は劣勢を鮮やかにひっくり返した。第2ピリオドを終わってポイントは5-8とリードを許していた。だが最終の第3ピリオドで強豪アトエフ(ウズベキスタン)に強烈なパンチを浴びせ続けた。相手はたまらずクリンチを繰り返して警告を受ける羽目に。この2ポイントを加え、13-12で村田の逆転勝ちとなった。  昨年の世界選手権で日本人では初めての銀メダリストになっている。体重69キロから75キロまでのパワーとスピードを兼ね備えた猛者が集うミドル級。「日本人が通用しないと言われるのはいいけど、自分が通用しないと言われるのは嫌だった」。村田はそう言い切る強心臓の持ち主だ。この日も観客席へ向かって何度も投げキスをするパフォーマンスも。 「勝ててほっとしている。目標まであと1勝のところまで来たので、しっかり頑張る。銀メダルよりも、48年ぶりの金メダルの方がいい」。東京大会で桜井孝雄(バンタム級)が立った頂点まであとひと息である。 (文責 47NEWS 岡本彰)