なでしこジャパンは女子ワールドカップ(W杯)に続く2年連続世界一の快挙達成を惜しくも逃した。聖地ウェンブリー競技場に詰め掛けた五輪女子サッカー史上最多の8万203人の大観衆の前で、力の限りを尽くしての戦いだった。だが、W杯の雪辱と五輪の3連覇を目指す米国にはわずかに及ばず、金メダルには届かなかった。  ▽早々の失点  前半8分、ロイドに先制シュートを決められた。早々の失点は、粘って勝負を後半に持ち込もうと踏んでいた日本には誤算だっただろう。しかし、この日のなでしこは、相手に打たれまくったここ2試合とは全く異なる顔を見せた。川澄の左からの突破を軸に再三相手ゴールに迫った。大儀見や宮間のシュートがクロスバーに嫌われる不運もあって、得点には結び付かなかった。だが、シュート数は米国の7に対し6本と互角の展開。  ▽反撃  後半9分、またしてもロイドに得点を許した。最も警戒していたワンバックでもモーガンでもなかった。米国の層の厚さと地力の一端を示すものだった。だが、なでしこは少しもひるまず攻めたてた。18分、沢からつながれたボールを大儀見が押し込み1点差。その後も宮間、岩渕らがシュートを放つなど激しく追い上げたが、GKソロの好守もあってついに勝利への執着心は実を結ばなかった。  ▽悔しさと満足感  敗戦が決まると宮間はグラウンドにしゃがみ込んで泣きじゃくった。イレブンに細やかな気遣いを見せながらも、「金メダルを取る」とチームを鼓舞し続けてきた主将は悔しさを抑えきれなかったのだろう。しかし、この大会を「集大成の場に」と位置付けていた沢は「金メダルがほしかったが、チーム全員でやり切った結果。悔いはない」と言った。佐々木監督は「素晴らしい試合だった。結果は出なかったが、この4年間は素晴らしい戦いだったと(選手を)称賛した」と総括した。北京大会でメダルを逸した無念さをバネに飛躍を目指し、昨年のW杯制覇とこの銀メダル。胸の奥底にある無念さをおし隠すように選手たちの挑戦を称えた。  ▽次代への継承  代表チームができて31年目の日本の女子サッカーは、スポンサーの撤退をはじめさまざまな苦難の時を経てきた。そして今、ひたむきにしぶとく戦うなでしこは大きな花を咲かせた。25歳の大儀見は「自分たちが積み重ねたものは次につながる経験。五輪やW杯は続く。これをベースにしてもっと高いレベルで、米国に勝てるよう練習していかないといけない」。エースストライカーの言葉は自戒であるとともに、次代のなでしこたちへの呼び掛けでもあったに違いない。  この19日からは20歳以下の女子W杯が東京、仙台などを舞台に開かれる。次世代の若い選手たちの成長を期待すると同時に、この女子サッカー人気を一過性の上滑りなものにせず、しっかり根付かせていく姿勢をわれわれは忘れてならないと思う。 (47NEWS 岡本彰)