水の怪物、マイケル・フェルプス(米国)が4日(現地)で出番を終え、陸の最速男、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の栄光への挑戦が始まった。後半戦を迎える大会はまた新たなドラマを生んでいく。  ▽すべて成し遂げた  不世出の名スイマーが現役生活を金メダルで締めくくった。フェルプスは400mメドレーリレーで第3泳者(バタフライ)を務めて米国の8連覇に貢献し「やりたいことはすべて成し遂げた」。北島康介と先陣争いをした男子競泳史上初の個人種目3連覇を達成するなど、この大会で4個上積みした金メダル総数は18個にもなった。  陸上のカール・ルイス(米国)ら2位の9個に倍の大差をつけ、「五輪史上最も偉大な選手」の称号はさらに重みと輝きを増した。面長な顔にどこかあどけなさも残す27歳の男は「人生においてほかにやりたいことがある。それに向かって進むときがきた」と穏やかな表情で競泳との決別を語った。  ▽手ぶらで帰すな  このレースでは、日本チームにちょっとしたいい話があった。「康介さん(北島)を手ぶらで帰すわけにはいかない」と示し合わせた松田丈志らの熱意が実り、同種目では最高の銀メダルを獲得した。第2泳者としてこん身の力を振り絞った北島は「最後にチームで笑いあえたのが一番の思い出」とうれしそう。念願の2種目3連覇はならなかったが、最後まで全力を尽くした充実感を口にした。今後については「ゆっくり休んで考えようと思う」と言った。  ▽調整は順調、でも…  陸上界のスーパースター、ボルトが8万大観衆の熱い視線を浴びて登場した。100m予選で、最後は例によって横を見ながらゴールし「調整は順調。準決勝を楽しみにしているよ」と余裕のせりふ。とはいっても「スタートの1歩目でちょっとつまずいた。これが予選でよかった」とも。  4年前の北京では100、200mに加え400mリレーで世界新を連発して短距離3冠を取り、スーパースターの座に駆け上がった。だが、この「人類最速男」はその後、忍び寄る不安との戦いを続けている。昨年の世界選手権100mではフライング失格。今大会の予選となったジャマイカ選手権では、練習相手だった後輩のヨハン・ブレークに100、200mとも苦杯を喫している。足の不調もささやかれている。  ボルトが自ら「最速の100mになるかもしれない」と予想する準決勝、決勝は5日夜(日本時間6日早朝)に行われる。ハンマー投げ決勝では室伏広治が金メダルに挑み、五輪スタジアムは熱気と興奮に包まれるはずだ。 (47NEWS 岡本彰)