競技が本格的に始まった28日、日本に3人のメダリストが誕生した。柔道男子60キロ級の平岡拓晃と重量挙げ女子48キロ級の三宅宏実は銀メダル、競泳男子400メートル個人メドレーの萩野公介が銅メダルだった。平岡は2度目、三宅は3度目の五輪出場で、萩野は初陣の高校生である。金メダル第1号の誕生は持ち越しとなった。    ▽屈辱をテコに  平岡は北京大会で忘れがたい屈辱を味わった。23歳で臨み、初戦であえなく敗退。野村忠宏が3連覇を飾った記憶も新しい階級だけに、「たった5分」の敗北への風当たりは厳しかった。だが雪辱への努力は実を結び、世界選手権では2009年から2位、3位、2位と着実に力をつけた。そして頂点を目指したこの日。気迫いっぱいの試合が続き、敗北寸前だった準々決勝は残り7秒から逆転勝ち。しかし、あと一歩と迫った決勝は41秒で散ってしまった。  「次の五輪の金メダルだけを考えて4年間やってきたから、悔しい」。試合直後のインタビューでは声を詰まらせた。それでも表彰台を下りてから家族たちのいるスタンドに向かってはにかんだような笑顔を見せた。打ちひしがれていた自分の背中を押し続けてくれた周囲の人たちに、感謝の気持ちを伝えたかったのかもしれない。  ▽「父の銅より上、うれしい」  名実共にメダリスト・ファミリーの一員になったのが三宅。父でコーチの義行さんはメキシコ五輪の銅メダリスト、伯父の義信さんは東京、メキシコ五輪を連覇している。自らは、アテネ五輪は腰痛に悩まされ9位。北京では減量ミスからパワー不足に陥り6位にとどまった。  バーベルに取り組み始めて12年目で成し遂げた快挙に「本当に夢のようで、実感がわいていない。記録を上げることに専念した。自分自身がメダルを取れるなんて思っていなかった」と高揚した気分そのままにまくしたてるように話し、最後は「父の銅より、銀で1個上にいけたのがうれしい」と輝くような笑顔を見せた。  ▽怪物、本調子じゃない  萩野は日本新をマークして3位。なんと北京で8冠を取り、3連覇を目指したフェルプス(米国)を4位に押しのけての堂々たるメダル獲得だった。「(4分)8秒台は出ると思っていた。フェルプス選手は本調子じゃないと思うが、勝ててうれしい」とは、怪物も形無し?のコメント。  栃木・作新学院高3年の高校生。競泳男子ではメルボルン五輪で銀メダルを獲得した山中毅(石川・輪島高)以来、56年ぶりの高校生メダリストの誕生となった。4月の日本選手権では200と合わせ2冠を取っており、今後の躍進がさらに楽しみになった。  ▽金メダル第1号はお預けに  優勝が最も期待されていた柔道女子48キロ級の福見友子が5位に終わり、男子の平岡は銀止まり。三宅の銀、萩野の銅と明るい話題もあったが、金第1号誕生は持ち越しとなった。「目標は金メダル15個」を掲げる日本選手団には当て外れの一日となってしまった。  やはり競泳男子100メートル平泳ぎで3連覇を目指すエース北島康介や、柔道女子52キロ級の中村美里らの奮起を待つしかないのだろうか。その北島がこの日の準決勝で全体の6番目のタイムで決勝に進んだという事実が、ちょっぴり気になる。 (文責 47NEWS 岡本彰)