煙をたなびかせ、さっそうと国立競技場を駆ける姿。半世紀以上も前にスクリーンに映し出された東京五輪の最終聖火ランナーは、今もまぶたに焼き付いている。
 後に日本マラソン界のエースとなる瀬古利彦(63)は、このときまだ三重県桑名市の小学生。地元の映画館で東京五輪のドキュメンタリー映画を見て胸を躍らせた。
 二十年ほどたち、最終聖火ランナーはフジテレビのテレビマンとして瀬古の前に現れる。四十歳を前にした坂井義則が、テレビ局主催のマラソン大会への出場を持ち掛けてきた。「あの人なんだ」。瀬古は興奮を抑えられず、「鳥肌が立った」のを覚えている。
 二人は十一歳離れた早...    
<記事全文を読む>