スター軍団に挑む前に、初戦の壁があった。

 2006年10月1日の朝8時、神戸市西区の神戸西神オリエンタルホテル。兵庫の監督、吉川公明は車に乗り込んだ。

 「吉川先生、一人で会場に来てください。選手のことは見ておくので」

 重圧のかかる開催県チームの指揮官を、スタッフらが気遣ってくれた。

 車内に流れる長渕剛の歌に、魂を揺さぶられる吉川。と、携帯電話が鳴った。自身の母校日体大の先輩で、国内トップ審判として名をはせた岸田純一からだった。

 「やっときたな。頑張れよ」。吉川の目に涙がにじんだ。

 神戸市...    
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