右打者の顔面目がけて迫る剛速球に、思わずのけ反る。が、気付けばボールは捕手の構えるど真ん中に。見たこともない横に滑る変化球は、現代風に言えば高速スライダーか。

 英領ビルマ(現ミャンマー)の最大都市ラングーン(現ヤンゴン)に設けられたアーロン収容所。戦後、日本軍捕虜となった佐々木要(故人)は後にまとめた手記で、労役の合間に広場で興じた野球での驚きを回想している。

 投手は、大松博文。後に白球をバレーボールに持ち替え、コートで速射砲のように女子選手に投げつける。レシーブ練習に生かすのだ。その運動能力の高さに、佐々木は「女子バレー監督で世界を制したことも不思議ではな...    
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