相手は過去3戦、すべて10点差のテクニカルフォール勝ちで退けてきた後輩だった。2019年12月のレスリング全日本選手権準決勝。優勝すれば東京五輪代表に決まる土性沙羅(東新住建)が駒を進めると誰もが思っていた。だが、2-9の完敗。周囲はざわついたが、本人にとっては想定内だったのかもしれない。

 土性のお株を奪う素早いタックルで得点を重ねた20歳の森川美和(日体大)は、「挑戦者なので思い切り行こうと思った」。恐れるもののない新鋭の勢いを前に、なすすべがなかった。土性が国内大会で優勝を逃すのは、高校生でシニアに挑んだ12年以来初めてだった。

 大会の1カ月前に左膝を負...    
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