「みんなもぐらになっちゃったのかね」。伊藤純子さん(93)=仮名=が切り出すと、ほかの高齢者も「ここは交流がないね」「困るねえ」と応じ、ぐちの言い合いになった。

 昨年暮れ、東京都渋谷区にある都営アパートの集会所。区の地域支援事業の一環でクリスマス会が開かれ、高齢者ら十数人が何カ月ぶりかに集まった。

 伊藤さんらは、旧国立競技場(新宿区)の隣にあった都営霞ケ丘アパートに住んでいた。競技場の建て替えに伴い都がアパートの取り壊しを決め、四年前に転居を余儀なくされた。

 かつてのアパートでは住民の交流が盛んだった。「ごみ出しをすると、近所の人とすぐ立ち話に...    
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