「走った思い出は一生の宝。折に触れ思い出し、自信にもなった。たかが聖火ランナーかもしれないけれど、オリンピックに携わった一人だと思っています」

 裾野市の西島詮(さとる)さん(74)は、東京五輪開幕四日前の一九六四年十月六日、裾野町(当時)選出の正走者として三島市内を走った。当時十九歳。距離は笹原バス停前-見晴学園前の一・二キロ。上りのだらだら坂が箱根へと抜ける山道だ。

 よく晴れた午後三時前、太陽が真上にあった。パトカー、白バイに先導され、副走者二人と随走の中学生二十人を従え走った。「ヘリコプターが追ってくるのは音で分かった。トーチは時々火の粉が飛ぶぐらいで『...    
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