記者が野球を始めた小学生低学年のころ、部屋に1枚のポスターを飾っていた。プロ野球オリックスの背番号51が右手に持ったバットを垂直に立てて投手に向け、左手でユニホームの右袖をつまむ。何度もまねした、あのルーティン。当時から20年以上がたち、目の前で見られるとは思ってもいなかった。

 3月21日、東京ドーム。4万6451人の視線は米大リーグ、マリナーズのイチローだけに注がれていた。アスレチックスとの開幕第2戦。第1打席を終えたころ、この試合限りで第一線を退く意向とのニュースが駆け巡った。その瞬間、不世出の大打者と一緒に過ごせる最後の時間が始まった。

 ある者は静かに...    
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