「今、一人一人に必要なのは、クラブや隣の誰かに何かしてもらうことを考えるのではなく、自分自身がクラブに、仲間に、何ができるかを考えることだ」

 十月十日からチームの指揮を執ることになった浮嶋敏監督は、初日のミーティングで選手たちにこう話した。

 八月に曹貴裁(チョウキジェ)前監督が現場を離れ、二カ月が経過していた。来る日も来る日も報道によってクラブは世間の目にさらされ、中ぶらりんの状態が続いた。

 何でもない風を装っていた選手たちだったが、波に打たれるように毎日心を傷つけられ、やまぬ喧騒(けんそう)の中でサッカーに集中するのは至難の業だった。「周囲に...    
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