真夏の日差しより、置いていかれた焦燥感が身を焼いた。8月に東京・お台場で開かれた東京五輪予選で、上田は観客席にいた。「ここに参戦していたら、どうだったのだろう」。目の前を国内外のライバルが駆け抜ける。歩行許可が2日前に出たばかりの自分とは対照的な姿だった。

 レースや練習で外傷を負うことはあっても「故障」は無縁と思っていた。7月のドイツでの大会。追い上げてきた集団を引き離そうと、ゴールの300メートル前でスパートを掛けると、左足から「パン」と聞こえた気がした。痛みを我慢してフィニッシュ。帰国後、足底腱膜(けんまく)の断裂と診断された。破裂音は自慢の頑丈な体が上げた悲鳴だった...    
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