東日本大震災発生から2日後だった。宮城県警機動隊に所属の秋山輝吉は仙台から80キロ離れた場所へ車で物資を届けた。その帰り道。南三陸道をとぼとぼ歩く60歳前後の男性が目に留まった。「会社の屋上で津波をしのいでいた。家まで歩いて帰る」という。

 車に乗せ、男性の自宅へ。家には誰もいない。不安が募る。「親戚の家かも」。再び車を走らせ、親戚の家へ。到着すると同時に、家族が飛び出してきた。泣きながら抱き合う。秋山の胸に形容し難い感情が湧き上がってきた。

 「お互いに亡くなっているかも、と思っていたのでしょう。それが再会できた。あの時期のことはあまり覚えていない。だけど、あ...    
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