場内アナウンスが響く。「日本新記録への挑戦です」。会場はざわつき、盛り上がる。その状況を、木下竜之(たつゆき)選手(県スポーツ協会)は楽しんでいた。

 重量挙げ成年男子85キロ級スナッチは、二回目で149キロを挙げた時点で優勝が決まった。電光掲示板に示されたのは159キロ。10キロも重量を上げたが、平然としていた。「記録をとってやる。楽勝だろう」。スッと挙げると、周りを見ながら白い歯を見せた。「うれしかったけど、165キロを狙いたかった」

 これまでの日本記録(158キロ)は、高校時代から競い合う山本俊樹選手(兵庫・ALSOK)が昨年出した。五月の全日本選手権で...    
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