大相撲春場所は、負傷を押して出場した新横綱稀勢の里が劇的な逆転優勝を果たして幕を閉じた。その春場所の土俵入りで稀勢の里が締めた純白の綱。材料の精麻(せいま)を納めたのは、栃木県鹿沼市で江戸時代から続く麻農家の七代目、大森由久(よしひさ)さん(68)だ。横綱の真摯(しんし)な姿勢にほれ込み精麻を提供。二十六日の千秋楽の土俵もテレビで見守り、「命懸けで綱を張った。立派以外の何ものでもない」とたたえた。

 (藤原哲也) 鹿沼市周辺は、「野州麻(やしゅうあさ)」のブランドで知られる日本一の麻産地。乾燥させた麻の茎を剥がし、不純物を取り除いたものが精麻だ。大森さんは日本麻振興会理事長を務め、約五ヘ...    
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