◇大相撲春場所<千秋楽> 乱れたまげを気にするそぶりもなく、照ノ富士はぼうぜんと土俵に立ち尽くした。賜杯をさらわれた悔しさを忘れたように表情を失っていた。

 支度部屋の上がり座敷に腰掛けると「まあしょうがないね」。前日からテーピングの量が増えた左膝の状態を聞かれ、「目に見えるつらさと見えないつらさがある。お客さんは見えることしか分からないから」。症状の悪化を示唆し、けがに苦しんでいるのは稀勢の里だけじゃないと訴えるようだった。

 本割では、横綱の捨て身の突き落としに足がついていかなかった。優勝決定戦も、もろ差しになりながら次の一歩が出なかった。今場所のどの相撲よりも硬く、ぎこちない動きをさ...    
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