震災も、つらかった思い出も、そして地元開催でのプレッシャーも、一つ一つ乗り越えてきた。盛岡市の県営御所湖漕艇場で8日行われた岩手国体カヌー・スプリント少年女子カヤックシングル(500メートル)で優勝した中前(ちゅうまえ)いつき選手(不来方高3年)は、大槌町吉里吉里地区の出身。東日本大震災の津波で自宅を失い、内陸へ引っ越してきた。つらい時、苦しい時は友が、家族がそばにいた。支えてくれる人たちのためにパドルを回した18歳は、表彰台の一番高い場所で「ありがとうございました」と一礼し、感謝を伝えた。

 決勝は最終盤に中前選手が逆転。降りしきる冷たい雨を切って鋭く伸び、同種目県勢初の栄冠を手にした。...    
<記事全文を読む>