暑かった、今年の夏の甲子園。僕はある選手に夢中になった。記者としての仕事場のはずだったアルプススタンドで、我を忘れて声援を送った。

 初対面は8月3日、大阪市の組み合わせ抽選会。出場校が一堂に会し、初戦の相手も決まる高揚感に包まれた会場で、記事になる話題を探そうと、九州の代表校に手当たり次第声を掛けていた。彼にも、何気なく話しかけた。

 「高校で野球に限界を感じたんです。周りのレベルも高いですし、練習についていくのもきつい。野球はもう良いかな。甲子園出て、良い感じに終われたら、って思ってます」

 やる気に満ちたチームメートや周囲の学校と対照的な発言。...    
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