名もなき県立校が、後の全国覇者を追い詰めていた。2015年夏の神奈川大会3回戦。2年生エース工藤佑太ら住吉ナインにとって、そのひとときは今もかけがえのない宝物だ。

 勝てるわけがないと思っていた。相手は前年も優勝した東海大相模。ほぼ全員が「有名人」だった。「考えても仕方ない。来た球を打つ」。そのシンプルさが保土ケ谷球場を沸かせる。初回。4番工藤が先発の山田啓太(白鴎大)から中前へタイムリーを見舞った。

 直後に工藤は3点を献上したが、「すぐ逆転されたことでマウンドにいても怖さがなくなった」。七回まで1点差を追う互角の展開で、門馬敬治監督は八回からエース小笠原慎之...    
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